ポスト「京」で重点的に取り組むべき社会的・科学的課題に関するアプリケーション開発・研究開発 近未来型ものづくりを先導する 革新的設計・製造プロセスの開発

概要

製品企画段階から設計・製造に至るまでのプロセスの、高度なデジタル技術を活用した革新(HPCデジタルエンジニアリング)に取り組み、多様なニーズに対応した高付加価値を有するものづくりの低コスト化・迅速化を実現し、我が国産業の国際競争力強化を目指しています。
具体的には、代表的産業分野(自動車、ターボ機械、航空機等)を対象に、ニーズに沿った価値創造と費用対効果の大きいものづくりを実現するため、サブ課題を【設計プロセスの革新】と【製造プロセスの革新】の2つのカテゴリーに分類してアプリケーションの開発に取り組んでいます。
前者については、上流設計プロセス革新のためのプラットフォームとそれをベースとする代表的実証システムの開発を実施し、後者については、広範囲のものづくりの核となる高信頼・高精度加工プロセスの実現に必要なシミュレータの開発を実施しています。特に、「京」において実績のあるソフトウェアシーズを基にしながら各課題の解決に必要な革新的機能を新しく実装したアプリケーションを、ポスト「京」時代を牽引するキラーアプリケーション(近未来ものづくりに必須)として位置付け、重点的に開発します。

実施体制

プロジェクト全体の連携を密としつつ円滑に運営していくため、課題全体の運営方針決定機関として、重点課題⑧と開発するアプリケーションの共通性が高い重点課題⑥の課題責任者および参画機関主要メンバーを構成メンバーとする「連携事務局会議」を設けています。各サブ課題を推進する主要なメンバーから構成される「重点課題全体推進会議」を設け、前記の連携事務局会議で決定した方針の共有、ならびにサブ課題間の連携を進めています。また、重要課題⑥と連携して「アプリケーション連携開発会議」を設け、本重点課題で開発するキラーアプリケーションの効率的・効果的開発を推進しています。さらに、第三者の視点で重点課題の進捗状況の把握・評価・改善・提言・指導等を行う「諮問委員会」を設置しています。以上の本重点課題全体の推進を支援する組織として、東京大学生産技術研究所革新的シミュレーション研究センター内に課題推進事務局を設置します。 また、産業界からのニーズの提供・実用化を図るため、スーパーコンピューティング技術産業応用協議会や計算科学振興財団(FOCUS) との連携を強化するとともに、アプリケーション開発にあたっては、システム開発とのコ・デザインのため、理化学研究所計算科学研究センター(R-CCS) と密接な連携を図りながら推進します。

アプリケーション連携開発体制

本重点課題⑧と重点課題⑥では、共通して開発するアプリケーションが多い(FrontFlow/blue,FrontFlow/red, FrontFlow/violet, ADVENTUREなど)ので、両者で連携をとり、情報交換を密に行い、効率的なアプリケーション開発を実施しています。
また、R-CCS と重点課題の実施機関との間で、ポスト「京」のシステムアーキテクチャとアプリケーションについて、相互に性能・機能に関する要求を出し合い、性能評価結果のフィードバックを行いながら設計開発を同時に進め、システムとターゲットアプリケーションの性能向上および性能予測を行います(コ・デザイン)。得られた成果を課題内の他のアプリケーションに展開し、それらの最適化・高速化を加速します。